原作漫画ではナウシカたち「綺麗な空気の中では生きていけない」という描写があります。
それを踏まえると「腐海の瘴気=綺麗な酸素」なのでは?といったことが頭をよぎりますよね。
ネット上でも「腐海はきれいな酸素を排出している場所」という記事もチラホラ見かけますが、実際のところどうなんでしょうか?
そこでこの記事では腐海の森の瘴気は酸素なのか?について書いていきます!
【風の谷のナウシカ】腐海の瘴気は酸素だった?
結論からさきにお伝えすると、腐海の瘴気は酸素ではありません。
ナウシカたち人造人間は多少の毒がないと生存できないという設定から、「ナウシカたちに猛毒な腐海の瘴気=正常な酸素」的な意見もネットでは見かけます。
腐海の瘴気は高濃度酸素なんやで。
— BIKE SHOP BIG(o3)MOUSE (@bigmousebike) November 21, 2020
瘴気の正体は「酸素」で腐海は空気清浄機みたいなもんで、ナウシカ達新人類は人類が生きられる様になるまでの繋ぎ的なモノなのよね(´・ω・`)
— マタタビ (@mttbing) December 27, 2013
しかし原作漫画の描写を見ると、眠りについている旧世界の人類にも腐海の瘴気は毒素であるように描かれています。
それを踏まえると「瘴気=綺麗な酸素」ではないことがわかります。
これは旧人類と新人類の関係性を知っている「庭園の主」のセリフ。
仮に瘴気が正常な酸素であれば、腐海のほとりは旧人類にとっては楽園なはず。
しかし、腐海のほとりに住めないということは、やはり瘴気はまともな空気ではないのでしょう。
ちなみに、瘴気と酸素が別物ということは新人類の体に与える症状の違いからも確認できます。
・綺麗な酸素⇨血ヘドをはいて絶命
同じものとして解釈しがちですが、瘴気と酸素は全くの別物です。
【風の谷のナウシカ】腐海の瘴気が猛毒で肺が腐る理由を解説
酸素ではないなら”腐海の瘴気は耐性のあるナウシカたちにもなぜ猛毒なのか”という疑問が出てきますよね?
ナウシカの原作漫画の設定やいい回しが難しいので、「腐海の瘴気ってどういう設定?」と混乱しますよね。
・腐海の発する瘴気の正体
ここでは上記にフォーカスして書いていきます。
全人類にとって「単純に猛毒」だから肺が腐る
耐性があるナウシカたちにも瘴気が有害な理由は、単純に瘴気が猛毒だからです。
毒性が強すぎるので、耐性があるナウシカたちの体にも猛毒となるんです。
猛毒だと思ってた腐海の瘴気が実は清浄な空気だったって皮肉が効いてて良いなあ
と思ったら微妙に違った。アレはアレで猛毒らしい。
つまりナウシカ達人造人間は清浄な空気でも死ぬし腐海の瘴気でも死ぬし、絶妙に汚染された空気の中でしか生きられないことになる。結構救いがない— メガネくん (@wndwpn) October 20, 2018
@Fomalhaut1 確か「ナウシカの世界は腐海以外も有害物質に汚染されていて、住民はすべてその環境に耐えられるよう改造されている。腐海の瘴気は猛毒。腐海の最深部に形成される空間は空気が綺麗すぎて、改造された住民はそこでも生きられない」という設定だったと思います。
— VICE@値札P/小緑値札守土左衛門梅須 (@VICEtheBLADE) July 11, 2012
唯一瘴気のなかで生きられるのは、腐海の森を守り広めるように作られた巨大な蟲たちのみ。
とくに瘴気が濃い場所では、蟲以外の生き物の生存は不可能です。
ちなみに、作中では「瘴気はマスク無しでは5分で肺を腐らせる」的な言い回しがありました。
おそらくですが、毒耐性のない旧世界の人間だったら5分も持たずに肺が腐るんでしょうね。
瘴気の正体は浄化システムの副次物(二次代謝産物)
「じゃあ瘴気はなんなの?」という疑問がでてきますよね。
腐海は汚染された大地を復活させるための浄化システム。
そして瘴気の正体は大地を浄化するときにでてしまう副事物なんです。
車を動かせば排気ガスがでますが、要はそれと一緒です。
えーとあれか。世界の大地の毒を吸収して無害化する、瘴気はその代謝物、石になって砕けた木が新しい大地となる、そういうシステムだったっけか
— わか八郎 (@wakayaman1130) December 27, 2013
大地を浄化するに必ず出てしまうものが瘴気で、それが結果的に生き物にとって猛毒だったということです。
解釈で気をつけたいのが、腐海は「地中の毒を吸い上げて空中に拡散してるわけではない」ということ。
浄化するさいに出てきてしまうだけであって、大地の毒をばら撒いているわけではありません。
原作だと腐海の瘴気は、大地の毒を取り込んで浄化する際の副産物だったな。
— もけ(丸に角立て井筒) (@m_n_n_k) January 13, 2017
その課題を克服するために旧人類は毒に耐性があるナウシカたちを作り、大地の浄化が完全に終わるまで眠りにつく計画を作ったわけです。
アニメ映画では「地下の綺麗な水と砂の環境下では腐海の植物は瘴気を出さない」とナウシカはいっていました。
浄化システムが稼働しなければ、腐海の植物も毒を出さないことがアニメの描写でも確認できますよね。
ちなみに、腐海の植物は汚れた大地では急速に成長するとのこと。
風の谷でも腐海の植物が一気に繁殖しましたが、綺麗に見える風の谷でも地中の汚染は深刻だったようです。
地下の砂や水は綺麗なので、浄化が終わっているか汚染が深くまでは及んでいないのでしょうね。
【風の谷のナウシカ】腐海の瘴気は酸素?についてのまとめ
腐海の瘴気は綺麗な酸素ではありません。
瘴気の正体は大地を浄化するさいにでてしまう副次的なものです。
その排出される気体が結果的に生き物に猛毒だったため、旧人類は耐性があるナウシカたちを作りました。
ただ猛毒すぎるがゆえに、毒耐性を持つナウシカたちですらマスク無しでは腐海へはたちいれません。
瘴気を放つ腐海で生きられるのは森の番人とされる蟲たちのみ。
色々と解釈が難しいナウシカですが、見れば見るほど奥深い作品です。
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コメント
「天地(あまつち)が清浄だった時のいきものが腐海のほとりに住めるはずがない」
とは、逆説的な言い回しで
「腐海のほとりに住んでいる我々は天地(あまつち)が清浄だった時のいきものではない」
という意味ではありませんか?(住める住めないが論点ではない理解)
かつ「ほとり」とは周辺を表す言葉なので、旧人類が腐海の「中」では住めないとは解釈できません。
仮に、浄化のために人工的に作られた腐海が旧人類にとっても猛毒の瘴気を出し続けているとなると
どのように空気は浄化されていくのでしょうか?
通りすがりさんコメントありがとうございます^^
>「天地(あまつち)が清浄だった時のいきものが腐海のほとりに住めるはずがない」
とは、逆説的な言い回しで
「腐海のほとりに住んでいる我々は天地(あまつち)が清浄だった時のいきものではない」
という意味ではありませんか?(住める住めないが論点ではない理解)
・「腐海のほとりに住んでいる我々は天地(あまつち)が清浄だった時のいきものではない」
と解釈してしまうと、「では旧人類はいつの時代の生き物だったの?」ということになってしまいます。
そもそもなんですが、腐海は大地の浄化システムとして作られたものなので、毒を浄化中の腐海の中に旧人類が住めることはありません。
大地を浄化中の腐海の中に旧人類が住めるのであれば、わざわざ人造人間と蟲を作る必要もないですよね。
>「ほとり」とは周辺を表す言葉なので、旧人類が腐海の「中」では住めないとは解釈できません。
・そして先ほど書いたように、腐海は大地を浄化するために作ったものなので、「旧人類が腐海の中に住めるか住めないか」という解釈自体が成り立たない気がしますがいかがでしょうか?
個人的な解釈ですが、腐海のほとりであっても腐海の「中」であっても意味は変わらないと思います。
>浄化のために人工的に作られた腐海が旧人類にとっても猛毒の瘴気を出し続けているとなると
どのように空気は浄化されていくのでしょうか?
・腐海は大地の毒を結晶化させて無毒化しています。
瘴気自体は猛毒ですが、「腐海の底は徐々に無毒化されてキレイな空気の割合が高くなっている」ことが、アニメ映画の作中でも確認できますよね。
大地が無毒化されれば腐海も瘴気を出さなくなり、キレイな空気の割合も徐々に多くなります。
そのサイクルを長い年月をかけて行うことで、空気を清浄化していくのだと個人的には解釈していました。
そして完全にクリーンな空気になった頃には、「毒が無いと生きられない人造人間」も「腐海でしか生きられない蟲」も絶命するのでしょうね。