東アフリカで大量発生したサバクトビバッタが大量発生しており、6月までに200兆匹にまで増える可能性があると言われています。
すべてを食べ尽くしているサバクトビバッタのせいで、世界的な食糧危機やインフレが起きる可能性が高まっているとのこと。
もしサバクトビバッタの大群の一部が日本に来たとしたら、日本も直接的な影響を受けて飢餓状態に陥る人が増えそうです。
そこで今回は、増殖を繰り返すサバクトビバッタが日本に来る可能性について調べました!
サバクトビバッタが日本に来ることは可能?
結論から言うとサバクトビバッタが日本に来る可能性はほぼゼロに近いようです。
実はサバクトビバッタによる蝗害(こうがい)は紀元前から度々起きており、頻繁にアフリカ、中東、アジアに被害を与えています。
「え?アジアって言ったら日本も危なくない?」と思いそうですが、長い歴史の中でもサバクトビバッタが日本に渡ってきた記録はないそうです。
サバクトビバッタの被害が及んでいるアジアはパキスタンやインドなどで、日本に被害が及んだことは一度もないとのこと。
そもそもサバクトビバッタが日本に来るには、まずは中国に入る必要がありますが、中国にもサバクトビバッタは侵入することができないと言われています。
中国に侵入できない理由は以下の通りです。
ヒマラヤ山脈を超えられない
サバクトビバッタの被害は中国の隣国であるインドやパキスタンまで及んでいるため、「中国への侵入も目前?」と言われていました。
しかし、パキスタンやインドから中国に侵入するには、広大な山々が連なるヒマラヤ山脈を超えないといけません。
サバクトビバッタの最大飛行高度は海抜2000mが限界であるとともに、生息の限界高度でもあるとのこと。
そのことから、平均して3000m級の山が重なるヒマラヤ山脈をサバクトビバッタたちが超えることは基本的にはありえないようです。
気温が低いと飛行できない
サバクトビバッタは名前に「サバク」とつくことから分かるように、暑い気候を好むそうです。
30~40℃の気温をとても好み、その程度の気温がバッタの活動もより活発になるとのこと。
逆に気温が22℃を下回るとサバクトビバッタは飛行すらできなくなり、歩くことしかできないみたいです。
そんなサバクトビバッタがマイナス何十℃となるヒマラヤ山脈を超えていけるとは到底思えませんね^^;
ちなみに、ヒマラヤ山脈の標高の高い場所でも高温多湿になる地域もあるようですが、それはごく一部の地域らしいです。
ヒマラヤ山脈の殆どの場所では想像通りに極寒なので、サバクトビバッタも結局凍えて全滅する可能性が高いみたいですね。
中国への侵入の可能性はゼロではない?
上述した通り、気温や高度の問題でサバクトビバッタは基本的に中国へ入れません。
しかし、今回の爆発的な大繁殖で、
「ヒマラヤ山脈を迂回するサバクトビバッタも現れるのではないか?」とも言われているようです。
独立行政法人経済産業研究所(RIETI)というところでは、
(1)インドやパキスタンを経由しチベットに至るルート
(2)ミャンマーから雲南省に至るルート
(3)カザフスタンから新疆ウイグル自治区に至るルート
の3つがサバクトビバッタが迂回して中国に侵入する可能性があることを示唆しています。
確かに迂回してきたらえらいこっちゃの話ですね^^;
そういえば、「迂回ルートにはサバクトビバッタに有毒な植物が沢山あって、サバクトビバッタは生きられない」との情報もネットで目にしました。
でも今サバクトビバッタは何でも食べる「群生相」に変化しているので、
「有害な植物を食い荒らして迂回ルートからの侵入する」というのも可能性としてはありそうな気もしますよね。
ただ逆に、長年サバクトビバッタを監視している国際連合食糧農業機関(FAO)では、そもそも中国がサバクトビバッタの被害を受ける対象にも含んでいません。
インドは注意を示す「caution」、パキスタンは脅威を示す「threat」のカラーで色付けされています。
しかし、肝心の中国はというと、サバクトビバッタの被害対象となる色すら塗られていません。
長年サバクトビバッタを監視している国連の機関が、「そもそも中国に入る可能性はない」と判断している証拠ともとれますね。
古代からサバクトビバッタの大繁殖の被害はありますが、中国に侵入した記録がないようなので、侵入の可能性は限りなく低いのかもしれません。
サバクトビバッタが海を渡る可能性は?
仮に中国にサバクトビバッタが侵入したら、海を渡って日本に侵入することも想像できます。
そもそも「サバクトビバッタが海を渡るほどの飛行距離をもっているのか?」というのが気になるところ。
サバクトビバッタの飛行距離とは一体どれほどなんでしょうか?
サバクトビバッタの飛行距離
調べてみたところ、サバクトビバッタの飛行距離は1日に100~200kmの距離だそうです。
また中国ニュースの日本版のネット記事によると、風に上手く乗った場合は700km以上に飛行距離が伸びるのだとか。
飛行距離が700km以上というのはエビデンスがないので正直盛っている感はありますが、風に乗ることで大きく飛行距離を伸ばせることは想像できますよね。
この飛行距離踏まえると、侵入経路次第では日本への飛来も全くのゼロではないのかもしれません。
日本への侵入経路と飛来について
サバクトビバッタが海を渡るというのは極めて可能性が低いことです。
ただ上記の飛行距離を踏まえると可能性としてはゼロとは言い切れません。
サバクトビバッタの飛行距離を踏まえた上での侵入経路は、
・中国大陸→朝鮮半島→日本
・中国大陸→台湾→日本
などが考えられます。
ではこの侵入経路について深堀りしていきます。
朝鮮半島からの侵入経路
先ほど書いた通り、サバクトビバッタはかなりの距離を飛行します。
しかし、中国から日本までの距離はそれよりも全然ありますから、中国から直で飛来するのは難しいとのこと。
ただサバクトビバッタが朝鮮半島まで来たら、流石に話は変わってきます。
仮にサバクトビバッタが朝鮮半島まで来たとしたら距離的にもかなり縮まりますから、サバクトビバッタの飛行距離でも十分飛来するのは可能です。
下の図を見ても分かりますが、韓国の釜山から対馬経由だと距離も全然近いですもんね。
ん~、ただですよ?
砂漠で生きているサバクトビバッタがそもそも中国大陸を横断して、韓国まで来ること自体がやはり考えづらいですねw
飛行距離的には可能かもしれませんが、中国には寒い地域もいっぱいあるようですから、そこを横断してくることは結構ムリがあります。
台湾から侵入経路
サバクトビバッタが中国大陸を横断して朝鮮半島へ、そこから日本へ飛来というのは色々とムリがあります。
しかし台湾経由だと可能性的には全くのゼロでもない気もします。
というのも、1928年にフィリピンのルソン島で繁殖したトノサマバッタが、台湾や日本の石垣島、宮古島に飛来して作物を食い荒らしたことがあったとのこと。
台湾に近いフィリピンのバタン島でも200km以上の距離がありますし、石垣島は約500km、宮古島は約590kmほど離れています。
上でも書いたように、バッタ達は風に上手く乗ると飛距離大幅に伸びるので「海上の風に乗って飛来したのでは?」と言われているようですね。
その距離を飛行してきた事実があるということは、条件が揃えばサバクトビバッタも台湾経由で日本に飛来することが可能ということになります。
台湾と中国大陸の距離も近いですしから、飛行距離的にもサバクトビバッタが台湾に渡れることは実質可能と言えます。
可能性的には低いですが、風を利用して長距離を飛行できる事実がある以上、日本も油断できませんね!
日本のカビ(エントモフトラ属)に弱い?・・・2020年4月17日追記
サバクトビバッタについてさらに調べていたんですが、彼らが日本に来ても被害の発生はあまり考えづらいそうです。
というのも、湿気が多い日本には「エントモフトラ属」というカビが存在しており、このカビがバッタにとっては天敵だからのようです。
狭く平原の少ない日本の土地では、バッタ科(トノサマバッタ等)が数世代にわたって集団生活をする条件が整いにくいため、限られた地域でしか発生していない。また、エントモフトラ属(ハエカビ属・ハエカビ目)のカビを始めとした天敵の存在も、結果として蝗害を抑えていると考えられている[34]。
— エル・バカターレ_8 (@blog_sanpole_8) April 8, 2020
どうやらこの「エントモフトラ属」というカビは昆虫にとっては病原体みたいで、バッタにも影響があるのだとか。
このカビは寄生性のようで、昆虫などはよく寄生されて命を落とすことが多いみたいです。
仮にサバクトビバッタが日本に飛来したとしても、このカビによって日本国内での被害はかなり小さく済む可能性は高いようですね~。
ちなみに、ウィキペディアによると「このカビの特性を利用して害虫などの駆除も過去に試された」とのこと。
その試みについての記事は見つからなかったのですが、害虫などがカビによって駆除できたら色々とメリットもありそうです。
ただし、一回も上手く言ったことがないようですよw
サバクトビバッタが日本に来る可能性と侵入経路についてのまとめ
サバクトビバッタが日本に来るにはまず中国に入る必要があります。
しかし、サバクトビバッタはヒマラヤ山脈を超えれないので、中国に侵入することは現実的には難しいようです。
国連の機関でも中国をサバクトビバッタの被害区域に含んでいないことから、中国侵入の可能性はかなり低いんでしょうね。
ということは、サバクトビバッタが日本に来ることも現実的には難しいということですね。
仮に中国にサバクトビバッタが侵入しても、平均100~200kmの飛行距離を踏まえると日本への飛来は難しそうです。
朝鮮半島まで来たら流石に海を渡って飛来しそうですが、サバクトビバッタの構造上中国大陸を横断してくるのはまず不可能でしょう。
ただ、過去にはフィリピンで大量発生したトノサマバッタが、風を利用して台湾経由で日本へ長距離飛来してきたという事例もあるので、日本も一応油断はできませんね!
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コメント
4月22日ベランダで栽培していたインゲンにトノサマバッタのような成虫が止まっていました。
普通春先にバッタの成虫を見ることはないので不思議でした、孫が虫が好きなので今も飼ってます。最近話題なっているサバクトビバッタではないかと思います。
近藤詔一さん
コメントありがとうございます^^
いくら暑い日が続いているとはいえ、確かにこの時期にバッタの成虫は早い気がします^^;
仮にサバクトビバッタだとたら侵入経路が気になりますね。
海を超えてきたのであれば、まず隣国まで侵入していなければ日本には到達できないので、なにかしらニュースになっていてもおかしくなさそうですが・・・。
考えられるものとしては、船に紛れて海を渡って来たとかでしょうか。
ちなみに調べて見たら、「イボバッタ」や「クルマバッタモドキ」というバッタは6月には成虫になっているものもいるようです。
連日の暑さでフライングした可能性も考えられますね^^(サバクトビバッタじゃないことを願って)